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地域在宅ケア支援 岡山の診療所が専門チーム

「結」で相談などを受ける赤瀬さん(左)と平木さん

 かとう内科並木通り診療所(岡山市南区並木町)は今月から、地域の在宅ケア体制を強化するため「在宅医療連携支援チーム・結」を発足させた。専属スタッフが事例検討会などを開催、医療機関や介護事業所間の連携を活発化させ、患者が安心して療養できる環境づくりを進める

 急速な高齢化を背景に、厚生労働省は今春の診療報酬と介護報酬の同時改定で、在宅ケア重視の姿勢を鮮明に打ち出した。しかし医療、介護サービスが不足していたり、家族の負担感が大きいなど、推進には課題も多い。

 かとう内科は1997年、中国地方で初めて緩和ケア病棟を開設するなど、がんの緩和医療で先駆的な役割を担ってきた。他の開業医の在宅医療も支援してきたが、今回、難病や脳疾患など広範な病気も含めて地域のサポート体制を強化しようと専門チームを立ち上げた。

 チームはがん性疼痛看護認定看護師などの資格を持つ赤瀬佳代さんと認定心理士の平木香織さんの2人が専属となり、他のスタッフも随時参加する。

 具体的な活動は患者や家族からの相談を受けるほか、事例検討会などを通して医療機関同士の交流や専門職の育成を進める。患者が入院から在宅療養にスムーズに移行できるよう病院と調整したり、介護施設でのみとりも援助する。

 赤瀬さんは「病院が在院期間を短くする中、患者や家族にはどこでどういう在宅ケアが受けられるのかという情報すら不足している。多くの患者さんが自らの望む療養環境を実現できるようにしたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年07月05日 更新)

タグ: 健康介護

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