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県内がん死者5400人 11年、死因別30年連続1位

 2011年の岡山県内のがん死者は5400人で、過去最多だった10年(5518人)に迫っていたことが県のまとめで分かった。死因別では1982年から30年連続トップ。早期発見の鍵となる「がん検診」の受診率(10年度)は23・3%と全国平均(17・3%)を上回っているものの、県が独自に定める目標値(50%)には達していない。県は啓発活動を強め、一層の受診を呼び掛けていく方針。

 県医療推進課によると、1960年の時点で約1800人だったがん死者は右肩上がりに増え、近年は約4900〜5500人で推移。11年は県内の全死者数(2万407人)のうち、がんの占める割合は26・5%で、2位の心疾患15・7%(3210人)、3位の肺炎10・1%(2063人)を大幅に上回った。部位別では肺が32・8%と最も多く、胃(22・7%)、大腸(18・4%)、肝臓(18・1%)と続いた。

 一方、検診受診率は肺がんが31・7%で全国6位、胃がんは16・8%で7位、大腸がんは22・7%で15位と高水準。だが、09年度に県が制定した「県がん対策推進計画」で目標に定めた50%には届いていない。

 このため、県は9月のがん征圧月間中、肺がんをテーマにしたシンポジウムを開いたり、検診率が比較的低い乳がんと子宮がんの無料検診チケットを配布。健康推進課は「がんは今や2人に1人が罹患(りかん)する身近な病気。『気付いたときには遅かった』とならないよう検診で自己管理に努めてほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年09月28日 更新)

タグ: がん

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