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腸管出血性大腸菌 秋も注意を 9月末まとめ 05年以降最多

 岡山県内でO157など腸管出血性大腸菌感染症の患者が今年、9月末までに148人に上り、発生が比較的沈静化した2005年以降で最多となったことが県健康推進課のまとめで明らかになった。猛暑や倉敷市での集団感染の影響とみられ、例年は秋以降も発生が目立つことから、県は8月に発令した感染症警報を継続し、注意を呼び掛けている。

 発生状況を月別に見ると、1〜5月は0〜2人で推移。6月から11人、7月7人と増加傾向となり、8月は倉敷市の3保育園で起きた腸管出血性大腸菌O26の集団感染(患者105人)によって115人と急増した。9月も11人と目立つ。05〜11年の8月の発症者は10〜51人にとどまる。

 年齢別では抵抗力の弱い9歳以下が94人と最多で、全体の63・5%を占めた。5月には80代女性が重症化、入院している。

 県健康推進課は「気温や湿度が高いほど菌は繁殖しやすく、夏は暑さで人間の抵抗力も落ちやすくなる」と原因を分析する。

 岡山地方気象台によると、8月の岡山市の平均気温は29・4度(平年28・3度)、最低気温25度以上の熱帯夜も27日間に上った。最高気温35度以上の猛暑日も岡山市で4日間記録。倉敷や高梁市などは全日、同30度以上の真夏日となった。

 県は8月7日、感染症警報を発令。学校などに啓発ちらし約5万枚を配り、徹底した手洗いや食品の加熱、調理器具の洗浄などを呼び掛けている。健康推進課は「朝晩が過ごしやすくなったが、例年は10月にも10〜20人の発生がある。油断は禁物」とする。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年10月03日 更新)

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