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在宅医療推進へ初の実態調査 岡山市、ニーズ把握し基礎資料に

 岡山市は、今後需要が高まるとみられる在宅医療に関する実態を調べるため、市内の医療・介護関連施設約1300カ所を対象に初のアンケートを始めた。市民約3000人にも調査。11月下旬にアンケート用紙を郵送した。在宅医療の提供や医療・介護連携の現状、在宅医療へのニーズなどを把握し、今後の施策を推進する上で基礎資料とする。

 市内の65歳以上高齢者は10月末現在で15万8035人(高齢化率22・46%)。高齢化率は2035年には30%を超えると予測されている。一方で、病院や介護施設での受け入れには限界があり、在宅医療の充実が課題。ただ、市は在宅医療の実態を示す詳しいデータを持っていないため、調査に乗り出した。

 医療・介護分野の調査は「診療所」「病院」「訪問看護ステーション」、ケアプランの作成に当たる「居宅介護支援事業所」の計4分野で全箇所が対象(美容整形など一部の診療所は除く)。

 質問項目は対象によって12~24問。診療所には、在宅で対応可能な処置▽訪問診療を行っている患者数―などを尋ねる。病院には、在宅医療への移行を念頭に置いた準備の有無や移行が困難だった患者数などを質問。

 訪問看護ステーションには、訪問看護利用者が伸び悩む要因などを聞き、居宅介護支援事業所には、「末期がん」「認知症」といった患者への対応状況などを問う。これらの質問を通じて、患者が在宅医療をどの程度受けやすい環境にあるかを調べる。

 市民は無作為抽出した20~80代が対象。質問は23問あり、医療や介護が必要になったとき、自分が過ごしたい、または家族に過ごしてほしい場所、自宅療養できる体制づくりを社会全体で進めることの是非などを尋ねる。

 アンケートは12月中旬に回収。本年度内をめどに集計し、来年度以降の施策に反映させる。

 市新病院・保健福祉政策推進課は「高齢化の進展で在宅医療は今後、多くの市民が本人や家族に関係する問題。若い世代を含め市民も積極的に調査に協力してほしい」と呼び掛けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年12月01日 更新)

タグ: 介護高齢者福祉

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