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感染性胃腸炎 岡山県内も大流行期 警戒水準最高のレベル3に

 ノロウイルスによるとみられる感染性胃腸炎が全国で猛威を振るう中、岡山県内では54医療機関の定点調査で1週間の平均患者数が20人を突破。県は「大流行期に入った」として、警戒水準を5年ぶりに最高の「レベル3」に引き上げた。他県では、大流行した2006年のウイルスが変異した新型が広がっており、感染防止を呼び掛けている。

 定点調査によると、今シーズンは10月中旬以降、患者が急増。11月26日〜12月2日の1週間は1094人で、前年同期(472人)の2倍超に上った。5歳以下の幼児が半数を占め、岡山、倉敷、備前市など県南で目立つという。シーズンを通じた患者は例年2万人前後で、「レベル3」は07年12月以来。

 ノロウイルスの潜伏期間は1〜2日で、患者の嘔吐(おうと)や便を介した感染力は非常に強い。県内では11月以降、岡山、玉野、津山市の3校園で集団発生があり、学年、学級閉鎖。岡山市の披露宴会場で食事をした47人が食中毒症状を訴え、検便でノロウイルスが検出された。高齢者や乳幼児は重症化しやすく、福山、尾道市の福祉施設では、因果関係は不明だが入所の高齢者が死亡した。

 県内では11年までの5年間で、原因物質特定につながった食中毒63件のうち38%がノロウイルスによるものだった。県健康推進課は「食事前やトイレ後の手洗いは手首まで入念に。嘔吐物の処理にはマスクをし消毒は塩素系漂白剤が有効」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2012年12月14日 更新)

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