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中途失明者生活支援事業 利用伸び悩み  岡山県視覚障害者協

 病気や事故で後天的に視力を失った人に点字の読み方などを教える岡山県視覚障害者協会(事務局・岡山市原尾島)の「中途失明者地域生活支援事業」の利用者数が伸び悩んでいる。PR不足が要因とみられ、関係者は積極的な利用を呼び掛けている。

 事業は一九七三年四月にスタート。県内在住で中途失明者もしくは極度に視力の弱い「弱視者」なら無料で利用できる。訪問支援が中心で、協会のメンバーが利用者の自宅を訪れ、つえを使った歩行や点字を打つ道具「点字板」の使い方を習得できるまで指導する。

 記録が残る二〇〇〇年以降の利用者数をみると、〇〇年が六人、〇一年~〇三年は十一~十九人。〇四年に六人と再び減り〇五年は四人にとどまった。協会に登録している視覚障害者七百人のうち、百人以上が点字を教えられる力を持つことを考えると、利用はまだまだ低迷している。

 県内の視覚障害者は障害者手帳の発行数などから推定して約六千六百人とされる。協会登録者には広報紙で事業を伝えているが、それ以外には周知ができず、口コミなどで広がるのを期待するしかないのが実情だ。

 協会は、治療や障害者手帳の交付時に事業の告知もしてもらえるよう眼科医や自治体の担当窓口に依頼する予定。自らも視覚障害者の井上孝昭会長(66)は「同じ境遇だからこそアドバイスできることがある。気軽に相談してほしい」と話している。問い合わせは同協会(086―271―0933)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年04月04日 更新)

タグ: 福祉

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