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HIV検査数 コロナ前から半減 岡山県内 発見、治療遅れ懸念

 岡山県内の保健所などで実施しているエイズウイルス(HIV)検査数が新型コロナウイルス感染拡大後、減っている。2022年は524件となるなど20年以降はコロナ禍前の半数程度で推移。県は早期発見、治療につなげるため積極的な検査を呼びかけている。

 県によると、18、19年の検査数は1300件近くだったが、20年からはコロナ対応で保健所の検査が一部中止になり同年は699件、21年も507件だった。

 昨年からコロナ感染が落ち着いてきたこともあり、保健所での検査も順次再開。ただ、今年は3月末時点の検査数は201件で、以前の水準には戻っていないという。県健康推進課は「コロナ感染への不安がまだ拭えず、エイズ検査を控えている人がいる可能性がある」としている。

 検査数の減少は感染者の発見にも影響しているとみられ、22年の新規感染者は6人で06年(8人)以来の1桁となった。うち、発症によって感染が判明する「いきなりエイズ」の患者は3人。20年は15人中8人、21年は13人中6人で、新規感染者に占める割合は2割ほどだった18、19年より高い傾向にある。

 ウイルスが体内の免疫システムを徐々に破壊するエイズは、感染しても自覚症状のない期間があり、同課は「感染に気付かず、人に移してしまう危険がある。少しでも気になったら検査してほしい」と促している。

 22日までは県内の保健所・支所で通常検査とは別に夜間検査などを設ける日があり、県健康推進課のホームページで確認できる。検査は匿名、無料。問い合わせは同課(086―226―7331)か各保健所。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年06月07日 更新)

タグ: 感染症

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