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精子や卵子使わず疑似受精卵 米英、多能性幹細胞で作製

 人の多能性幹細胞から作製した、受精卵に似た塊。輪のように並ぶ黄色い細胞が体のもとに当たる(エール大チーム提供・共同)

 【ワシントン共同】精子や卵子を使わずに、さまざまな細胞に成長できる人の多能性幹細胞から子宮に着床した後の受精卵に近い細胞の塊を作成したと、米エール大と英ケンブリッジ大のチームがそれぞれ27日、英科学誌ネイチャーに発表した。本物の受精卵とは隔たりがあり、胎児の体が形成される段階まで育つことはできないという。

 試験管内で人の受精卵を模して作った細胞の塊は「胚モデル」と呼ばれ、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って盛んに研究されている。着床後の様子が観察可能になれば、心臓などの先天性疾患の起源や不妊の原因を探る手段になるとの期待が高い。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年06月28日 更新)

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