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夏風邪が各地で警報レベルの流行 ヘルパンギーナ、18都府県

 ヘルパンギーナの原因となるエンテロウイルス(国立感染症研究所提供)

 乳幼児がかかりやすい夏風邪「ヘルパンギーナ」が流行し、各地で警報が発令されている。国立感染症研究所が4日に公表した速報値によると、感染者は6月下旬に前年同期比で40倍超に増加、18都府県が警報レベルとなった。専門家は新型コロナウイルス対策で感染者がここ数年減少し、免疫を持たない乳幼児が増えたことが原因と指摘する。

 ヘルパンギーナは飛沫や接触によってエンテロウイルスに感染して発症する。38~40度の高熱と、喉に水疱ができるのが特徴。飲食できずに脱水症状となり重症化する場合がある。ワクチンや特効薬はなく、解熱剤などの対症療法で対応する。

 感染研によると、6月19~25日に全国約3千カ所の定点医療機関に報告された感染者数は、1医療機関当たり5・79人で、前年同期比で約41倍。厚生労働省研究班が定めた基準では1定点当たり6人を超えると警報レベルで、鹿児島や静岡、三重など18都府県が基準を超えた。千葉大の石和田稔彦教授(小児感染症学)によると、例年より1~2カ月早いペースだ。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年07月04日 更新)

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