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予防可能がん、経済負担1兆円超 感染、喫煙、飲酒高リスク

 ピロリ菌の電子顕微鏡写真(大塚製薬提供)

 生活習慣や環境などの予防可能なリスク要因に関連するがんによる日本社会の経済的負担は約1兆240億円に上るとの推計を、国立がん研究センターなどのチームが1日、発表した。がん全体の負担は約2兆8597億円。リスク要因別で最も負担が大きかったのはピロリ菌やヒトパピローマウイルス(HPV)などへの「感染」(約4788億円)で、「能動喫煙」(約4340億円)「飲酒」(約1721億円)と続いた。

 がんは医療費に加え、治療中の一時的な就業中断によって社会に重い経済的負担を引き起こす。同センターが予防可能ながんの経済的負担を推計した研究は初めて。

 チームは「適切な対策で予防・管理することは、命を救うだけでなく、社会の経済的負担の軽減にもつながる」とし、定期的ながん検診やHPVワクチンの接種、禁煙を推進するよう呼びかけている。

 予防可能ながんのうち、男女ともに胃がんの負担が最も高く、このうちピロリ菌感染によるものが約2110億円でほとんどを占めた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年08月01日 更新)

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