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インフルエンザ患者急増 岡山県、警戒水準「レベル2」に

高齢者施設では、インフルエンザ感染防止のため消毒液設置など予防策を徹底させている=旭川敬老園

 岡山県内でインフルエンザが猛威を振るっている。県によると、県内84指定医療機関1施設当たりの患者は最新データ(14〜20日)で平均15.37人に上り、注意報が発令された前週(5.8人)から2.7倍に急増した。同じA香港型が大流行した昨シーズンは岡山市の高齢者施設で3人が死亡。県は今季も「4週間以内に大きな流行が発生する可能性が高い」として、警戒水準を「レベル2」に引き上げ、予防強化を呼び掛けている。

 県によると、昨年12月下旬から患者が増え始めた。学校の新学期が始まった1月上旬から急拡大し、17日には、1施設当たりの患者が基準(5人)を超えたとして「注意報」を発令した。レベル2は患者が10人以上となった場合で、30人を超えると「大流行に至った」と判断し、警戒水準を最高のレベル3に上げて「警報」を発令する。

 今季、指定医療機関の累計患者は2085人に上る。10代以下が65%を占めているように、学校の集団風邪でも、14日までの2校計23人が、その後158校園計2202人(25日現在)に広がった。

 流行しているウイルスのタイプは、県環境保健センター(岡山市南区内尾)の検査で、感染力が強く、重症化しやすいA香港型が24件中20件を占めた。B型は3件、A型の亜型不明が1件。

 体力が弱い幼児や高齢者はとりわけ注意が必要で、110人が入所する同市北区祇園の特別養護老人ホーム「旭川敬老園」では、出入り口に消毒液を置き、来客と職員に手の消毒を徹底。居室は常時保湿され、利用者に発熱の症状があればすぐに受診させるなど、「全力を挙げて感染を阻止したい」と気を引き締める。

 岡山地方気象台によると、今月に入って平年より気温の低い日が続き、乾燥注意報も出されている。県健康推進課は「予防接種はもちろん、帰宅時の手洗いとうがい、人混みでのマスク着用、十分な睡眠とバランスの良い食事を心掛けて」と訴えている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年01月27日 更新)

タグ: 高齢者感染症

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