文字 

福山市民病院 周産期センター開設 26年度、高リスク母子受け入れ

周産期母子医療センターを開設する福山市民病院

 福山市民病院(同市蔵王町)は、リスクが高い妊産婦と新生児を受け入れる「周産期母子医療センター」を2026年に開設する。24年度に産婦人科病床を10床から20床へ倍増するのをはじめ、専門設備を順次整えて28年に本格稼働させる計画。備後圏域8市町で分娩(ぶんべん)受け入れを停止する医療機関が相次ぐ中、より安心して出産に臨める体制を構築する。

 計画によるとセンターは、建て替え工事を進めている新本館(地上7階、地下1階)の3階に設置。事業の前半に当たる第1期工事完了後の26年は産婦人科を30床へ増やすほか、母体・胎児集中治療室(MFICU)や新生児集中治療室(NICU)、新生児回復室(GCU)を各6床確保する。2年後にはNICUとGCUを各12床に拡充する。

 センターを動かすマンパワーの充実にも力を入れる。常勤の産婦人科医は5人。今後の動向は未定だが、現在、市が開設している岡山大の寄付講座などを通じて小児科医らの確保にもつなげる。看護師の採用活動、助産師の資格取得など研修にも努める。

 市保健所総務課によると、備後圏域の8市町内では14医療機関が年間計約5千件の分娩を担っている。だが、市内の病院、笠岡市の産婦人科医院など計約1400件に対応してきた4医療機関が23年度末までに分娩受け入れを終えるとしている。

 広島県東部は出産前後のハイリスクな治療に当たる「総合周産期母子医療センター」がない地域。福山市民病院はこの県指定を目指しており「地域で安心安全に出産できる医療体制の充実に努めたい」(病院総務課)としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2023年10月16日 更新)

タグ: お産

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ