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小児がん患者に適応外薬 早期承認向け臨床研究開始

 国立がん研究センターは19日、小児や「AYA」と呼ばれる若年世代のがん患者に、海外では承認されているものの、国内では適応外や未承認となっている治療薬を投与する臨床研究を始めたと発表した。必要とする患者に迅速に届けるとともに、早期の国内承認に向け、有効性を確かめる狙いもある。

 臨床研究では、慢性骨髄性白血病や腎細胞がんなどの原因となる遺伝子の変異に作用する「分子標的薬」など5種類の治療薬を使う。薬の使用が、病理学的に有効と診断されたり、変異を調べる「がん遺伝子パネル検査」で推奨されたりした0~29歳の患者が対象。

 一つの薬当たり最大30人を予定し、国立がん研究センター中央病院が参加者の募集を始めた。4年間で効果や安全性を確かめる。今後、使用する薬を増やす。別の複数の病院も参加する見通し。

 厚生労働省は昨年12月、保険診療を併用できる「患者申出療養制度」の利用を認めた。今回、患者の薬代の負担はない。副作用に対応できるよう、医師の管理下で投与する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2024年01月19日 更新)

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