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劇症型溶連菌に要注意、厚労省 昨年941人で過去最多

 劇症型溶血性レンサ球菌(国立感染症研究所提供)

 突発的に発症し致死率が3~7割と極めて高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者が増えているとして、厚生労働省が注意を呼びかけている。2023年に全国から報告された患者は速報値で941人。それまで最多だった19年の894人(確定値)を上回り、1999年の感染症法による届け出開始以降、過去最多となった。

 主な病原体は子どもの間で流行し咽頭炎の原因となる「A群溶血性レンサ球菌」で、他にB群、G群などがある。劇症型は、体の痛みや発熱から始まって急激に進行し、多臓器不全を伴うショック症状に至る。

 手足などの壊死を引き起こすことがあり「人食いバクテリア」とも呼ばれる。子どもから大人まで発症するが特に30代以上に多い。

 国立感染症研究所のデータによると、患者数は約10年で3・5倍に増加。今年に入って2週間で87人が報告されている。昨年後半は特にA群の咽頭炎と劇症型の患者の増加がみられた。英国で10年代に流行した病原性が高いとされる株が増えている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2024年01月26日 更新)

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