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岡山の産後支援システムが最優秀 国の23年度・健やか親子表彰

 子どもの健やかな成長に向けた先進事例などをたたえる2023年度の「健やか親子表彰」(こども家庭庁主催)で、岡山県産婦人科医会の「妊娠中からの気になる母子支援連絡システム(岡山モデル)」が最優秀賞を受けた。産後の子育てに不安がありそうな妊婦の情報を医療機関と行政が共有する仕組みで、乳幼児虐待の防止につながっていると評価された。

 連絡システムは2011年から運用している。県内の産科医療機関に健診に訪れた妊婦について、医師や助産師らが「不安がありそう」と感じたら妊婦の同意を得て「連絡票」に書き込み、県産婦人科医会を通じて各保健所や自治体に情報を提供。保健師の家庭訪問などにつなげている。

 連絡内容は、胎児への愛着が弱い▽精神的な支援が必要▽妊婦健診の回数が少ない▽家族の支援が不足している―など。連絡件数は増加傾向で、データがまとまっている2021年は807件に上り、11年の445件に比べて1・8倍になっている。

 担当の中塚幹也理事は「仕組みだけでなく、医療者に医学的リスクではない部分への意識を高めてもらわなければ継続できなかった。受賞はハード、ソフトともに認められた結果。今後もしっかりと妊婦と向き合い、支援につなげていきたい」と話している。

 23年度表彰には企業や団体など96の応募があった。好事例として広がりが期待できるか、継続性があるかといった観点で医師らが審査。最優秀賞1件のほか優秀賞2件を選んだ。表彰式は昨年11月、栃木県で開かれた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2024年01月27日 更新)

タグ: お産

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