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岡山市でコロナ「第10波」か 人の動き活発化 感染8週連続増

 今年に入り、岡山市内で新型コロナウイルス感染者が急増している。市内22医療機関の定点把握に基づく1週間の感染者数は8週連続で増加。昨年夏から秋にかけて猛威を振るった流行「第9波」に迫る勢いだ。年末年始に人が活発に動いたことが影響し、新たな変異株も広がっているとみられ、医療関係者は「第10波」に突入した可能性があるとして、感染対策の徹底を呼びかけている。

 市によると市内の感染者数は昨年11月末から漸増し、1月から一気に拡大。1医療機関当たりの感染者数は1~7日(2・09人)8~14日(5・36人)15~21日(9・14人)と右肩上がりで、直近の22~28日は12・18人と、9波のピークだった昨年9月上旬の14・09人に近づいている。

 22~28日の定点把握に基づく感染者数は計268人。年代別では、乳幼児や小中学生など14歳以下が184人と全体の7割弱を占める。感染拡大に伴う学校園の休校や学年・学級閉鎖も12月の4カ所に対し、1月は14カ所と3倍超に増加しており「学校や幼稚園で急速に感染が広がっている」と市保健管理課。

 要因の一つとみられるのは年末年始の帰省や旅行だ。昨年5月に新型コロナが5類に移行して初の年末年始とあって全国的に人の流れが活発化した。さらに市内では昨年12月以降、免疫を逃れる能力が高いとされる変異株BA・2・86への置き換わりが進み、一層の感染拡大を引き起こしているとみられる。

 倉敷市も同様に感染者の高止まりが続く。市内16医療機関の定点把握に基づく22~28日の感染者数は、1医療機関当たり14・8人。前週(16・0人、15~21日)に比べ1・2ポイントダウンしているものの、県平均(11・96人)を上回っている。

 こうした状況に対して県医師会の松山正春会長は「第10波に入った可能性は否定できず、拡大傾向はしばらく続くかもしれない」と警戒。「場面に応じたマスク着用をはじめ、手指消毒や換気など基本的な感染対策の徹底が改めて必要だ」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2024年02月07日 更新)

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