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岡山県内梅毒感染 初の300人超 23年、2年連続で過去最多

 岡山県内で2023年に報告された性感染症の一つ「梅毒」の感染者は316人(暫定値)で、2年連続過去最多を更新したことが県のまとめで判明した。現行の集計方式となった1999年以降で初めて300人を超え、人口当たりでは全国で4番目に高くなっており、県が警戒を強めている。

 県によると、23年の感染者は過去最多だった前年(197人)より119人の大幅増。内訳は男性228人、女性88人で、年代別では多い順に20代119人、40代60人、30代58人―など。20代が突出し、特に女性の7割近くは20代が占めた。感染経路に関する保健所の聞き取りでは、男性の6割超が風俗店を利用していた一方、女性の4割近くが風俗店で働いていた。

 人口100万人当たりの報告数は163・63人(1月5日時点)。全国比較では東京都(260・40人)、大阪府(222・57人)、福岡県(182・86人)に次ぐ多さで、前年の8番目から大きく悪化した。

 岡山県内の年間患者数は17年に前年の4倍超の172人を記録。その後も高止まりが続いていた。

 急激な感染拡大について県健康推進課は「交流サイト(SNS)やマッチングアプリなどを通じ、不特定多数の人と性行為をする機会が増えているのも要因の一つでは」と分析。海外からの流入を指摘する声もあったが、新型コロナウイルス禍で水際対策が強化されても増加していることから「国内で広がっている可能性が高い」との見方が出ているという。

 県では、動画投稿サイト・ユーチューブやデジタル広告を駆使し、県内の各保健所で梅毒検査を匿名、無料で実施していることなどを周知しており、同課は「心当たりがある人はすぐ検査を受けてほしい」と呼びかけている。

 梅毒 梅毒トレポネーマという細菌が原因で起きる感染症。口の中や陰部などにしこりができ、全身に発疹が広がる。性的な接触などでうつり、抗菌薬で早期に治療をすれば完治するが、途中で薬をやめたり、放置したりすると脳や心臓などに合併症が出る可能性がある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2024年02月18日 更新)

タグ: 感染症

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