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エイズ感染防止策強化 岡山県、早期発見・治療促す

 岡山県内でHIV(エイズウイルス)感染者数が高止まりする中、県は2013年度から「おかやまエイズ感染防止作戦」を展開し、対策を強化する。感染の有無を調べる病院の検査費を一律千円にして負担軽減を図るほか、携帯用の啓発カードを作ったり、企業への出前講座を実施。早期発見・治療を促し、感染拡大を阻止する。

 県内の感染者とエイズ発症患者は、07年から6年連続で計10人超に上る一方、検査を受ける人は低迷。保健所での無料検査(匿名)は08年の1268人を、岡山大病院、川崎医科大付属病院など専門医がいる10カ所の拠点病院での検査も08年度の206人をそれぞれピークに、横ばいか減少傾向が続いている。

 県は今回、受けやすい検査▽戦略的な普及啓発▽関係者の連携強化―の3本柱で従前の対策を見直し。検査は、現在約1800〜2500円とばらつきのある拠点病院の料金について、4月1日から病院に補助して引き下げ。検査方式も結果が即日で判明するものにそろえる。

 普及面では、HIVの検査場所や日時を記したカードを作り、トイレなど手に取りやすい場所に置く。感染者が20〜40代に多いため、企業の訪問で病気への正しい理解を求める。男性同性間の性的接触で感染する例も多いとされ、男性がパートナーを見つける飲食店などでの啓発も図る。

 連携強化では医療、行政機関などによる推進協議会を5月ごろ初めて設置。市民への啓発をはじめ今後の対策を検討する。

 県健康推進課は「病気を発症して初めて感染に気づく人も多く、その間に感染を広げている可能性も高い。早期発見・治療で日常生活も十分送れることなどを周知し、感染ルートを断ち切りたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年03月29日 更新)

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