文字 

口腔がん早期発見へ研修会 岡山市歯科医師会、岡山大病院と連携

口腔がん専門医(左)から検診の手順を学ぶ歯科医=3月21日、岡山大病院

 口腔(こうくう)がんの撲滅に向け、岡山市歯科医師会は、歯科医院での検診能力向上を目指す研修会を開いている。専門医がいる岡山大病院と連携。最新の検診方法や代表的な症状を学び、日々の歯科診察の中で早期発見につなげる。

 舌、粘膜など口の中にできる口腔がんは、食事や会話の障害となるほか、リンパ節や他の臓器に転移する場合もあり、国内の新規患者数は年間6千〜7千人とされる。直接の視診と触診が可能なことから、初期に見つけて専門医に紹介できれば治癒率を高められる。

 研修会は、岡山市北区鹿田町の同大病院で3月中、下旬に計2回開き、約10人が参加。口腔外科(病態系)の佐々木朗教授ら専門医が「口腔がんは発症しても痛みなどの自覚症状がほとんどなく、発見が遅れがちになる」と説明。模擬患者による実習では、発症の大半を占める舌や歯肉の腫れ、ただれといったがんの兆候を調べるための検診手順を紹介し、見落としやすい奥歯の周りや舌の下側などもチェックするよう助言した。

 国が昨年、がん対策推進基本計画を見直し、関係者の一層の連携強化を打ち出したことなどを受け、同歯科医師会が病院に協力を依頼。今後も希望者を募り定期的に開いていくことにしている。

 同歯科医師会の永澤正信会長は「市民の口の中に日常的に触れる歯科医だからこそ早期発見に貢献できる。知識と技術を高め、より頼れる存在になりたい」と話している。
 
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年04月09日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ