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治療動画を病棟でも閲覧可能に 岡山大病院脳神経外科

岡山大病院脳神経外科が導入した治療データ管理システム

 岡山大病院脳神経外科は、血管内に細い管を差し込むカテーテル治療時の動画を専用サーバーに蓄積し、電子カルテシステムと連動させ、病棟や医局室での閲覧を可能とする独自の治療データ管理システムを構築した。迅速な診療とともに、医学生や若手医師の教育に役立てる。

 国内メーカーの心疾患用システムを同大大学院の平松匡文医師らが改良した。動画は従来、血管造影室で見るしかなく、蓄積量もわずかだったという。同大病院は「脳神経領域に限れば、動画を別の場所で見られるシステムは全国初だろう」としている。

 システム本体は、脳動脈瘤(りゅう)や脳梗塞を治療する血管造影室に設置した。2台のモニターがあり、左画面では血管を造影し、カテーテル治療を行う動画を表示して録画。右画面は治療内容を入力して記録する。

 同大病院によると、新システムの導入により、患者の血管にできたこぶを埋める医療器具の量など詳細な治療内容が速やかに確認でき、治療方針の決定をはじめスピーディーな診療が実現。血管造影室以外のパソコンで動画が呼び出せることで、症例の研究や研修にも活用できる。

 3月、岡山市北区鹿田町の同大病院で一部稼働した総合診療棟1階に血管造影室が設けられたのを機に導入した。脳神経外科の杉生憲志准教授は「動画も鮮明で大きな戦力になる。最大限に活用し、質の高い医療を提供したい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年05月04日 更新)

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