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在宅医療推進へ岡山市が骨子案 支援基盤充実や医療・介護連携

 自宅での療養を望む市民ニーズに対応するため、岡山市は2014年度から5年間で進める「在宅医療・介護推進方針」の骨子案をまとめた。医療スタッフによる支援基盤の充実、医療と介護職の連携、市民啓発の三つを目標に設定した。

 市が昨年行った意識調査では市民の43・8%が自宅で終末期を迎えたいと希望。しかし、実際には医療機関で亡くなった市民が78・3%(2010年)を占め、自宅は11・9%にとどまっている。在宅を望んでも、病状が急変したときの不安や家族の負担感などが妨げになっているとみられる。

 高齢者の増加に伴う病床数の不足などから、最期を迎える場所のない人が30年には全国で約47万人に達するとの厚生労働省元課長による推計もあり、みとられる場所の確保は課題となっている。

 市は「地域の現状やニーズを踏まえた対策が欠かせない」とし、独自に方針を定めて在宅医療・介護の普及を後押しする。

 骨子案は在宅の推進策として、訪問診療する医師、看護師らの量と質の底上げ、訪問看護ステーションや24時間対応の訪問看護・介護事業所の充実などを挙げた。また、入院患者を受け持つ病院スタッフや地域で支えるかかりつけ医、看護師、ケアマネジャーらの連携を推進。市民に対しては、在宅で可能なケアや地域で支え合う方策を考えてもらう啓発を進めるとした。

 在宅医療や介護に関する市民からの総合相談窓口「地域ケア総合推進センター」(仮称)を設置することも明記。設置場所は、15年5月に岡山操車場跡地で開院予定の新市民病院(北区北長瀬表町)を想定している。

 市はいずれの施策についても今後、詳しい事業内容と実施に当たっての市や関係団体、市民の役割を検討した上で、10月をめどに方針をまとめる。

 市新病院・保健福祉政策推進課は「方針を基に、在宅医療・介護を望む人の思いがかなう環境づくりを進めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年05月26日 更新)

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