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小中学生の社会適応を支援 県精神科医療センターがデイケア

児童デイケアの準備が進む県精神科医療センター。子どもたちはスタッフと過ごしながら社会への適応を目指す

 県精神科医療センター(岡山市北区鹿田本町)は5日から、精神疾患のある小中学生を対象とした児童デイケアを始める。同センターは県内で唯一の児童思春期病棟があるが、退院後、人とのコミュニケーションに困難さを抱えて引きこもる例も多いといい、さまざまなプログラムを提供して徐々に社会適応できるようにする。

 県精神科医療センターは2007年、児童思春期病棟(16床)を開設。統合失調症、摂食障害などを抱え、入院治療が必要な子どもたちが増える半面、専門の入院施設を備える医療機関は全国で20カ所余りとされ、同センターでも満床状態が続く。

 一方で退院後の子どもたちについては「適応指導教室など既存の社会的な受け皿やサービスになじめないケースも多い」と同センター。小中学生を対象としたデイケアを行う医療機関は県内でもまだ少ないという。

 児童デイケアは同センターの退院者以外も対象とし、毎週水曜の午後、10人前後が参加して院内のデイケア室で開催。ゲームや音楽鑑賞、おしゃべりなど思い思いに過ごす時間を通じて少しずつ集団になじめるようにする。医師、作業療法士、看護師ら5人のスタッフが対応する。

 同センターの大重耕三・児童思春期入院棟医長は「発達段階の子どもにとって社会性が増す時期に孤立するのは、その後の影響も大きい。デイケアを子どもが社会とつながっていくためのステップの場としたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年06月01日 更新)

タグ: 子供精神疾患

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