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世界最細の内視鏡試作 岡山大病院泌尿器科、臨床研究へ

岡山大病院などが開発しているハイビジョン対応では世界で最も細い内視鏡

 岡山大病院泌尿器科と国内の医療関連メーカー2社は、腎臓結石といった泌尿器系疾患の診療で、患者の身体的な負担を軽減する極細内視鏡の開発に取り組んでいる。18日、大学の臨床研究審査委員会が、試作した直径0・85ミリの内視鏡で人間の腎臓を観察する臨床研究を承認。性能や安全性を確認し、2015年の臨床応用を目指す。

 岡山大によると、「ハイビジョン対応では世界で最も細い内視鏡」という。2社は福島県に工場を持つ住田光学ガラス(さいたま市)と武井医科光器製作所(東京)で、岡山大に協力を要請。東日本大震災の被災地復興に向け、国の11年度補正予算を活用した同県の重点事業の一つとして、12年度から研究を進めている。

 内視鏡は先端部の0・5ミリの高解像度レンズをはじめ、極細のガラス繊維を約1万本束ねて特殊なコーティングを施したチューブなどで構成。岡山大病院がブタの腎臓を観察した結果、映像は非常に鮮明で診療に十分な水準だったという。

 臨床研究では腎臓結石の患者ら10人で実施。直径約1・1ミリの針の中に内視鏡を装着して患者の背中から挿し、腎臓内を観察する。

 現在は患部を映すだけだが、結石を砕くレーザーと組み合わせた直径2ミリ程度の医療機器への改良も計画。泌尿器科の公文裕巳教授は「尿管などに関わる疾患の診察や治療への応用も可能。早期の実用化を目指す」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年06月19日 更新)

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