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タミフル備蓄期限延長 8万1000人分廃棄免れる

備蓄用のタミフル。市場流通品の緑のパッケージを赤に変えて区別している

 新型インフルエンザ対策で国と都道府県が備蓄している治療薬・タミフルについて、厚生労働省は備蓄期限を7年から10年に延長。岡山県も本年度で期限切れになる予定だった約8万1千人分の廃棄処分を3年後に先送りすることを17日までに決めた。これに伴い、買い替え費用が大幅に節減できる。

 全国的に大量廃棄が問題となる中、10年間保存しても効能に問題ない―と製薬会社が国に報告。厚生労働省は1日、備蓄期限の延長を決定し、県も通知に従った。

 大流行でタミフルの流通が枯渇した場合に備え、国は2005年度、県は06年度から備蓄を開始。緊急時の使用を条件に製薬会社から安価で仕入れるため、市場には出せず、05年度に国が購入した260万人分は期限の12年度に焼却処分された。

 県はこれまで06、07年度に各8万1千人分、新型インフルエンザが流行した09年度に約20万人分を購入し、現在計約36万人分を備蓄。うち06年度の購入分が本年度中に期限を迎えることになっていた。12、13年度の廃棄予定分を合わせると、約3億8千万円分の買い替えを遅らせることができる。

 全国では国と都道府県合わせて計約5400万人分を確保しており、本年度末に約1700万人分が廃棄される見込みだった。

 備蓄期限は08年に5年から7年に変更され、延長は2回目。県医薬安全課は「県民の命を守るため、もしものための備えは不可欠。保存状態に問題はなく、緊急時に有効活用したい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年07月18日 更新)

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