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食中毒244人、昨年1年上回る 岡山県内

 高温多湿の夏場を迎え、食中毒への懸念が高まっている。今年は22日現在、岡山県内の患者は244人(5件)に上り、昨年1年間の241人(13件)を既に超えた。県は「食中毒注意報」を発令し、啓発ちらしを作製。飲食業界や市民に食材の十分な加熱処理などを呼び掛けている。

 6月には、井原市の飲食店と総社市の宿泊施設で集団食中毒が相次いで発生。計59人が下痢や吐き気などの症状を訴えた。保健所が残った食材などから原因物質の調査を進めている。

 県生活衛生課によると、冬の食中毒の原因物質として目立つノロウイルスに対し、夏に多いのは食肉や卵に付着するカンピロバクターやサルモネラなどの細菌類。昨年は6、7月に起きた5件のうち、3件でカンピロバクターが検出された。

 O157などの腸管出血性大腸菌もこの時季に増える病原菌。今年はまだ感染源が特定されていないため食中毒には計上されていないものの、30人(前年同期20人)の患者が報告されている。

 県は6月中旬、最高気温と平均湿度などが発令基準に達したとして食中毒注意報を発令。ちらし5千枚を飲食関係者や市民らに配布し、飲食店や宿泊施設の立ち入り検査にも力を入れている。

 県生活衛生課は「症状が重篤化すると死亡する恐れもある。調理器具はしっかり洗浄・消毒をし、生鮮食品は10度以下で保存するなど衛生管理を心掛けて」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年07月24日 更新)

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