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熱中症搬送、2割増の1175人 猛暑影響し死者も5人

記録的な猛暑で熱中症による救急搬送が相次いでいる。県などは「厳しい暑さは今後も続く」として予防の徹底を呼び掛けている=27日午後3時5分、岡山市北区

 岡山県内で今夏、熱中症のため救急搬送された人は1175人(5月27日~8月25日、速報値)で、前年同期(956人)より2割多く、死者も1人から5人に増えたことが27日、消防庁のまとめで分かった。記録的な猛暑が響いたとみられ、県は「今後も厳しい暑さが続くので、予防の徹底を」と注意を呼び掛けている。

 搬送者の内訳は65歳以上が611人と半数超を占め、続いて18歳以上65歳未満440人、18歳未満124人。体力の弱い高齢者ほど重症化しやすく、死亡した5人のうち4人が65歳以上だった。

 県消防保安課によると、屋外での活動中に熱中症となる例が多く、7月初めに美作市の女性(93)が農作業中に倒れて死亡。8月初めにも高梁市で草刈りをしていた男性(62)が亡くなった。

 月別の搬送者数は6月が前年の2・7倍に上り、人口10万人当たりでも8・9人と沖縄県(13・1人)に次いで全国2番目に多かった。体が暑さに慣れていない時期の急激な気温上昇が影響したらしい。岡山市の平均気温は24・4度と前年より1・4度高かった。

 7月は2割ほど減ったが、8月は1・5倍に急増。高梁市で17日連続の猛暑日(最高気温35度以上)となるなど、県内全域で記録的な猛暑に見舞われたためとみられる。

 岡山市では最高気温が26日に27・9度、27日は31・9度となり、少し暑さが和らいだものの26日は県内で1人、27日にも3人が救急搬送されている。

 岡山地方気象台によると、9月上旬までは岡山市で最高気温が30度を超える真夏日が続く見込みで、県健康推進課は「喉が渇かなくても水分を小まめに補給したり、エアコンなどで室温を一定に保つなど対策をしっかり取ってほしい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年08月28日 更新)

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