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フッ素洗口で虫歯予防 岡山県、小幼保モデル事業開始へ

フッ素の入ったうがい液を教員から受け取る児童=岡山市立雄神小

 岡山県は、フッ素の入った洗口液によるうがいで虫歯予防を目指す「フッ素洗口モデル事業」を県内の小学校や保育園、幼稚園でスタートさせる。高い予防効果が期待できる半面、県内の実施学校園の割合は1.1%にとどまっており、安全性や簡便さに配慮した方式で普及を図る。

 フッ素はカルシウムやリン酸の沈着を促したり、抗菌作用があるとされ、うがいだと歯ブラシの毛先が届きにくい場所にも有効。臼歯が生える前の4歳から始めた場合、小学6年での1人当たりの虫歯は、フッ素洗口していないケースの平均3・7本に対し、1本に抑えられたとの調査報告もある。

 ただ、県内でフッ素洗口に取り組むのは岡山市の24校園、早島町の1校のみ。医薬品を扱うことへの抵抗感のほか、これまで多かった顆粒(かりゅう)タイプは適切な濃度への希釈が必要なため、薄める作業の負担感もネックになっていたとみられる。

 モデル事業では、フッ素を水であらかじめ薄めてボトルに入れた液状タイプを利用。小学校は週1回10ミリリットル、園児は週5回、小学生向けの濃度を半分に希釈して5ミリリットルずつうがいしてもらう。子どもが誤飲しても健康に影響ない量という。

 初年度は10校園程度を予定し、希望を募っている。学校や児童の保護者に洗口液の費用負担などはない。県健康推進課は「フッ素洗口は簡単で予防効果が高い。学校現場などに理解を求め、積極的に取り組んでもらえるようにしたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年10月05日 更新)

タグ: 健康子供

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