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インフル流行の兆し 岡山県内でA香港型確認

うがいや手洗いでインフルエンザ感染を予防する就実中の生徒

 岡山県内でインフルエンザが流行の兆しを見せている。今月に入り、感染力が強く症状が重くなりやすいA香港型の患者が確認され、総社、倉敷市の幼稚園と小学校が学年、学級閉鎖。流行が本格化する冬場を前に、専門家らは「予防ワクチンの接種やうがい、手洗いなどで早めの対策を」と呼び掛けている。

 県健康推進課は、流行を判断する基準の一つとして、県内84医療機関で定点観測。1機関当たりの1週間の患者が1人以上となった時点で「流行」の開始と判定する。

 4~10日の患者数は、倉敷市保健所管内4、備中保健所管内1の計5人。観測値は0・06人と散発的で全国(0・11人)より低いが、総社市の幼稚園では13日、3歳児1人がA香港型を発症したため、県内で今季初の学年閉鎖に。19日には倉敷市の小学校で2年生計44人が発熱などで欠席、22日まで学級閉鎖している。同校によると、多くがA香港型に感染したとみられる。

 A香港型はB型に比べて感染力が強い上、重症化しやすく、「インフルエンザ脳症や熱性けいれんを引き起こす可能性があり、とりわけ高齢者や子どもには注意が必要」と岡山大病院小児科の森島恒雄医師。今季については「昨季と同様、季節性ウイルスのA香港型、B型両方の流行も予想される」とする。

 例年、流行のピークは12、1月にA香港型、2、3月にB型と続き、過去3シーズンも12月後半から感染が急拡大。昨季はA香港型が68%、B型が30%だったという。

 予防策は手洗いやアルコール消毒、うがい、マスクの着用など。ワクチン接種は大きな効果があるが、抗体ができるまで2週間ほどかかるため、県健康推進課は「ピークを迎える年末年始までに済ませて」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2013年11月22日 更新)

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