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被災者の心のケア迅速に 精神科医療センターが相互支援協定

宮城県南三陸町の避難所で被災者の話を聞く岡山県精神科医療センターの医師=2011年4月

 17日で発生から19年を迎える阪神大震災で重要性が高まったのが被災者の心のケアだ。東日本大震災でも多数の医療・保健関係者が被災地を訪れたが、情報不足から迅速な対応ができない場面も多かった。宮城県南三陸町に医師らを約1年間派遣した岡山県精神科医療センター(岡山市北区鹿田本町)は18日、こうした教訓を踏まえ、全国の6自治体精神科病院と災害時の相互支援協定を締結する。国が編成を呼び掛ける災害派遣精神医療チーム(DPAT(ディーパット))もつくり、早期に支援できる体制を整える。

 協定を結ぶのは、島根県立こころの医療センター▽大阪府立精神医療センター▽静岡県立こころの医療センター▽千葉県精神科医療センター▽宮城県立精神医療センター▽山口県立こころの医療センター。当日は岡山県精神科医療センターで調印式を行う。

 被災自治体は通常、国を通じて全国の都道府県に支援要請するため、調整に時間がかかっていた。協定は、各病院からの応援要請で迅速に医師、看護師を派遣する内容。さらに活動費用を原則、派遣側の病院が負担し、被災地の病院が要請しやすいようにする。

 一方、DPATは救急救命を目的とした災害派遣医療チーム「DMAT」の精神科版。厚生労働省は各都道府県・政令市ごとにチームをつくるよう求めており、既に活動マニュアルを作成、研修を順次実施している。

 岡山県では精神科医療センターを中心に県精神保健福祉センターや民間病院も含めてDPATチームを組織する計画。精神科医療センターは災害発生後3日以内に現地入りできる緊急性の高い「A―DPAT」としての登録を目指しており、「南三陸町での経験も踏まえ、必要な装備やスタッフの育成などを進めたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年01月17日 更新)

タグ: 精神疾患

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