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レジオネラ菌で男性死亡 倉敷の老健施設で集団感染

レジオネラ菌が検出された浴槽=和光園

 倉敷市保健所は23日、同市東塚の介護老人保健施設・和光園(小橋秀廣施設長)の入所者4人がレジオネラ菌に感染し、うち80代男性が同日死亡したと発表した。残る3人はいずれも90代女性で、入院中だが命に別条はないとしている。

 同保健所によると、9日に女性1人、18日に女性2人が発熱、せきなどの症状で医療機関を受診し、レジオネラ症と診断された。亡くなった男性は20日に発症、21日に入院した。死因は肺炎とされたが、感染との因果関係は不明という。

 4人とも潜伏期間とされる発症前数日間は外出しておらず、同保健所は施設内での集団感染と判断。浴室の水の採取などで感染ルートを調べている。施設による10日の検査では、女性用浴槽の水から基準値を超えるレジオネラ菌が検出された。

 他の入所者約60人や施設職員に感染は確認されていない。

 岡山県健康推進課によると、同県のレジオネラ症患者の延べ人数は2008年25人、09年17人、10年19人、11年37人、12年29人、13年24人。03年には岡山市の病院での院内感染で1人が死亡した。

 レジオネラ菌 自然界に広く生息する細菌で、菌の混じった細かい水滴を肺に吸入することなどで感染する。入浴施設や給湯設備、加湿器などで増殖しやすく、抵抗力の弱い高齢者や子どもらが感染すると、倦怠(けんたい)感や筋肉痛などの後、発熱や胸痛などの肺炎症状を起こし、死亡することもある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年01月24日 更新)

タグ: 高齢者感染症

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