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在宅医療窓口設置へ 岡山市、新市民病院内に

在宅医療推進方針の素案が示された市の協議会分科会

 岡山市は、自宅での療養を求める市民ニーズに対応するため、2014年度から5年間の「在宅医療推進方針」素案をまとめた。15年5月に開院する新市民病院(北区北長瀬表町)内に、在宅に関する総合相談窓口「地域ケア総合推進センター」(仮称)を設置することなどを盛り込んだ。

 センターは在宅医療の推進拠点として、新市民病院から独立した形で市が運営。市民が保健や医療、介護サービスを切れ目なく受けられるようにするための総合相談や情報提供に加え、専門職の連携を橋渡ししたり、在宅を担う人材育成や住民への啓発などを手掛ける。

 市によると、センターを14年度後半にも市役所内にプレオープンさせて周知や人員を検討した上で、新病院開院に合わせて本格稼働させる見通し。

 素案ではほかに、往診経験豊富な医師が若手にノウハウを伝えたり、離職中の看護師に訪問看護をプチ体験してもらう試みなど既存事業を拡充するとした。在宅でのみとりや口腔(こうくう)ケア、服薬管理といった専門職の質の向上も挙げた。

 多職種連携に向けては、在宅に関わる専門職が情報交換する「顔の見えるネットワーク構築会議」を継続的に開くとし、市民に対しては出前講座や専門職との意見交換会への参加を通じて啓発を進めるといった対策を盛り込んだ。

 28日夜に市内で開いた市の「医療連携のあり方等に関する協議会」在宅医療分科会(14人、座長・佐藤涼介岡山市医師会副会長)で素案を示した。

 在宅医療をめぐっては、12年の市民意識調査で43・8%が自宅で終末期を迎えたいと望んでいたが、実際は医療機関で亡くなったケースが78・3%(10年)を占めた。ギャップを埋めるためには「地域の状況やニーズに即した対策が不可欠」(市新病院・保健福祉政策推進課)として独自方針の策定を進めていた。

 素案はパブリックコメントや市議会の意見を踏まえて3月末までに成案化し、正式決定する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年01月30日 更新)

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