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インフル、ノロウイルス猛威 岡山県など予防徹底呼び掛け

インフルエンザやノロウイルス対策には、こまめな手洗い、うがいなどが欠かせない=岡山市中区門田屋敷、山陽女子高

 冬の代表的な感染症のインフルエンザと、ノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎が猛威を振るっている。インフルエンザは岡山県内の1月第4週の患者が前週の2倍以上に急増。今冬は2009年に大流行した「新型」も増えている。感染性胃腸炎のピークは過ぎたものの、広島市では10中学校の計300人以上が集団で発症した。今後さらなる冷え込みが予想されるため、県などは予防の徹底を呼び掛けている。

 県によると、インフルエンザは定点調査している83医療機関の1施設当たりの患者数が1月第4週(20〜26日)で24・73人。注意報(16日)を出した前週(11・72人)の2倍強に増え、本格的な流行期に入ったようだ。

 今冬の特徴は、感染力が強く重症化しやすいA型ウイルスに加え、ほとんどの人が免疫を持っていない新型が増えていることだ。県環境保健センター(岡山市南区内尾)の検査では新型が14件検出され、例年最も多いA香港型の26件に次ぐ多さ。全国的にも年明け以降増えているという。

 新型に罹患(りかん)すると、抵抗力の弱い子どもや高齢者は肺炎などの合併症を起こしやすいとされる。県健康推進課は「今のところ09年ほど流行する兆しはないが、いったんかかると重症化しやすい。体調がおかしいと思ったらすぐに医療機関を受診してほしい」と注意を呼び掛ける。

 国立感染症研究所(東京)によると、インフルエンザウイルスは乾燥した気象条件を好むといい、「室内の湿度を高く保ったり、夜眠る時にも暖房を付けっぱなしにして乾燥させないことが大切だ」という。

 一方、県内でノロウイルスが原因とみられる感染性胃腸炎の患者数は、定点調査している53施設で1施設当たり10・36人(20〜26日)とほぼ例年並み。患者数は減少傾向にあるが、ワクチンや治療薬はないうえ、感染力が強いだけに高齢者施設などでは集団感染が起きやすいという。

 京都市の病院では昨年末から今月にかけ、入院患者と看護師ら計101人が嘔吐(おうと)や下痢などの症状を発症し、うち入院患者4人が死亡した。浜松市の小中学校などでは給食パンを食べた千人余り、広島市の中学校では弁当を食べた約320人が食中毒を起こした。いずれもノロウイルスが検出されている。

 県生活衛生課は「症状がなくても感染していれば、そこから一気に広がる恐れがある。特に食品を扱う人は『自分が感染している』との前提で、調理前の手洗いや使い捨て手袋の着用、便の検査などこまめな対策を行ってほしい」と訴えている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年02月05日 更新)

タグ: 健康高齢者感染症

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