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プール熱はや流行 岡山県内 例年、夏場なのに… 既に学年・学級閉鎖も

県内の咽頭結膜熱の発生状況(グラフ)

 発熱や結膜炎を発症、全国で猛威を振るい始めた「咽頭(いんとう)結膜熱」(プール熱)が岡山県内でも拡大している。例年、夏場に流行する感染症だが、今年は4月下旬から患者が増加、学年・学級閉鎖するところもでた。水浴びの機会が増える本番を迎え、県保健福祉部は予防の徹底を呼び掛けている。

 県内の小児医療機関五十四定点からの報告によると、患者数は第十七週(四月二十四―三十日)から右肩上がりとなり、第二十週(今月十五―二十一日)までで二百九十人。二〇〇三年通年(二百二十四人)を既に大きく上回った。定点に限った集計のため実際はこの約十倍とみられている。

 咽頭結膜熱は、感染力の強いアデノウイルスが原因。発熱、のどの痛みなど風邪に似た症状のほか、目の痛みや充血を発症する。感染者の目や口に触れた水、せきなどによる飛沫(ひまつ)で感染するとされる。

 ここ数年で患者が最も多かった〇四年(七百四十六人)は、五月半ばから急激に増え、夏季にピークを迎えた。今年は流行が一カ月近く早く「プールや水浴びが本格化するこれから、さらなる流行が懸念される」と県健康対策課。

 感染拡大の原因ははっきりしないが、五月に入り、二幼小が、少なくとも過去五年はなかった学級・学年閉鎖に追い込まれた。うち私立美作女子大付属幼稚園(津山市)は「ゴールデンウイーク明けに園児の一部が発症し、瞬く間に広がった」という。

 県健康対策課は「手洗い、うがいのほか、タオルを共用しないといった日常生活での予防策を徹底してほしい」と訴えている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年05月27日 更新)

タグ: 健康子供感染症

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