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心臓移植の10代女性退院 岡山大病院、中四国初

術後の経過などを説明する佐野教授(中央)ら

 岡山大病院で昨年12月、中四国地方初の心臓移植手術を受けた10代女性=中国地方在住=が順調に回復、17日に退院した。執刀した心臓血管外科の佐野俊二教授ら3人が会見。3年以上寝たきりが続いた女性は「ドナー(臓器提供者)の分まで生きたい」と厚意に感謝し、喜びをかみしめているという。

 佐野教授らによると、女性は手術翌日に食事ができ、1週間後に歩行訓練などのリハビリを開始。1カ月余りで集中治療室(ICU)から一般病棟に移った。現在は1人で歩けるまでになり、今月11日は自宅で一泊した。

 女性は「こんなに楽になるとは思わなかった。ドナーや岡山大病院に感謝している。早く学校に行って友達と会い、勉強したい」と明るい表情で話したという。

 日本臓器移植ネットワークによると、心臓移植手術の待機患者は1月末現在で293人に上る。佐野教授は「今回の成功は次の手術につながる成果で、チームにも自信が芽生えた。一人でも多くの命を救えるよう努力を続けたい」と語った。

 女性は2010年、心臓の筋肉が伸びてポンプ機能が低下する拡張型心筋症と診断された。移植以外の救命法はなく、11年に同ネットワークに登録。ドナーは長崎県の病院で脳死と判定された10歳以上15歳未満の男子だった。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年02月18日 更新)

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