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はしかの予防接種、県が呼び掛け 3月県内4人発症

 岡山県は28日、美作、真庭保健所管内で3月に入り4人の子どもがはしかを発症したと発表した。県内の年間患者数は例年数人にとどまるが、1月にも岡山市で大人2人が発症しており、既に昨年1年間の患者数(3人)を超えている。子どもの病気と思われがちだが、全国的に見ると半数近くを20、30代を中心とした大人が占めている。県は「子どもに対する注意はもちろんだが、大人であっても油断せず用心を」と予防接種を呼び掛けている。

 はしかは感染力の強いウイルスが原因で、せきなどのしぶきや接触によって感染。抗体を持っていないとほぼ100%発症する。高熱や全身に発疹が現れ、まれに肺炎や脳炎の合併症を起こし重症化する。死亡する割合は千人に1人とされる。

 今年の全国の患者数は19日現在180人と前年同期(62人)の約3倍。年代別では10歳未満が45%で最も多く、10代は10%。20代21%、30代18%、40代5%、50歳以上が1%。とりわけ20、30代が約4割を占めている。

 県内では1月に岡山市で20代男性が2人、今月も美作保健所管内の中学生女子と女児、男児の計3人、真庭保健所管内の中学生女子1人が感染している。昨年の感染者3人は20代男性と50代女性、1歳男児だった。

 こうした状況について、厚生労働省は「原因は不明」としながらも、可能性として二つの要素を指摘する。一つは、昨年末から東南アジアで流行し、渡航機会の比較的多い20、30代がウイルスを持ち帰った可能性。もう一つは、2005年までは1回だけの予防接種だったため「免疫が不十分だった可能性がある」と結核感染症対策課は推測する。

 予防接種は、1歳と就学前1年間の計2回の定期接種が全市町村で無料で実施されているほか、任意の予防接種(有料)も医療機関で受けられる。ただ、一度はしかにかかった人は抗体ができて予防接種の必要はないという。

 県健康推進課は「はしかにかかったことがなく、ワクチン接種も受けていない大人が感染すると重症化しやすい。早急に対処してほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年03月29日 更新)

タグ: 感染症

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