文字 

岡山市立総合医療センター発足 新市民病院開院へ体制整備

岡山市立総合医療センターの名称が入った看板を取り付ける松本理事長(右)と大森市長

 岡山市立2病院を運営する地方独立行政法人「市立総合医療センター」が1日、発足した。現在の市民病院(北区天瀬)、せのお病院(南区妹尾)を運営しながら、来年5月に岡山操車場跡地(北区北長瀬表町)で予定する新しい市民病院の開院に向け、体制を整える。

 センターは市が設置。理事長に松本健五・市病院事業管理者、事務局長に理事を兼ねる市OBの池上進氏が就任。市から職員37人が派遣され、局長級の山上晃稔氏が事務局次長に就いた。独自の判断で人事や予算を決めることができ、市が直接病院を運営する場合に比べ、経営判断の迅速化や効率化が期待される。病院の医師、看護師らは公務員でなくなった。

 市民病院で設立式があり、松本理事長は「来年には新病院も完成する。市民に頼りにされ、選ばれる病院づくりに努めていく」とあいさつ。センターの名称が入った看板を大森雅夫市長と一緒に正面玄関に取り付けた。

 初めての理事会を開き、経営目標に当たる中期計画(2014〜17年度)を決定。大森市長から認可を受けた。中期計画は、新市民病院に年間通じて24時間対応のER(救急外来)が設置されることを踏まえ、最終年度の救急患者数を12年度に比べて45%増やすことや、職員の計画的な採用・育成方針などを盛り込んでいる。

 新市民病院は8階延べ約3万3800平方メートル。18診療科、400床を備える。12月末に本体工事を終える予定。医療機器の購入などを含め、総事業費は156億6千万円。

 地方独立行政法人 自治体が業務を効率的に行うため、地方独立行政法人法に基づき設立する法人。職員の身分を公務員とする「特定型」、非公務員とする「一般型」がある。岡山市立総合医療センターが採用した一般型の場合、職員採用や給与基準の制約が弱まり、現場のニーズに素早く対応しやすい。自治体の首長は独法がつくる計画の認可権を持ち、経営をチェックする。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年04月02日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ