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エイズ新規患者大幅減 13年岡山県まとめ

県内のエイズの患者発生動向や対策が報告された県エイズ医療等推進協議会

 2013年に岡山県内で新たに確認されたエイズウイルス(HIV)感染者は2年連続で増えて16人だった一方、エイズを発症した新規患者は3人で、ピークだった10年の11人から大幅に減ったことが27日、県のまとめで分かった。県は医療機関などでの啓発が感染の早期発見・治療につながっていると分析。引き続き、感染リスクが高い人への検査呼び掛けなど効果的な予防啓発を進める。

 この日、岡山市内で開かれた「エイズ医療等推進協議会」で報告された。全国的には新規の感染者は1106人で過去2番目、患者は484人で過去最多となった。

 県内のHIV感染者と患者は2000年以降目立って増加。10年にはエイズを発症した状態で見つかる患者が全体の半数を占めた。感染段階でいち早い治療を行えば発症を止めることができるため、県は感染の早期発見を重点課題に取り組んできた。

 医療関係者のネットワークを強化したほか、昨年春からはエイズ治療の拠点病院での検査料を一律千円に値下げした。検査場所を載せた名刺サイズのカードをトイレなど手に取りやすい場所に置く活動も展開している。

 推進協議会では、保健所と拠点病院での検査件数が13年度は1435件あり、前年度より125件増えたことを県が説明。6月1日からのHIV検査普及週間に保健所で夜間検査を行うことなどを紹介した。

 一方、男性同士で性行為する人(MSM)による感染例が多いとされることから、ゲイやバイセクシュアル(両性愛)への効果的な啓発方法を検討。性感染症予防に取り組む愛媛県のゲイ当事者団体「HaaT(ハート)えひめ」の新山賢代表やMSMへの啓発を研究する名古屋市立大大学院の市川誠一教授の報告を聞き、意見交換した。

 県健康推進課は「検査場所や日時、呼び掛け方法など感染リスクの高い人が検査を受けやすい環境づくりを進めたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年05月28日 更新)

タグ: 感染症

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