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岡山大が中四国の医療事業拠点に 文科省の橋渡しプログラムで選定

 さまざまな分野の基礎研究の成果を医療などに活用していく文部科学省の「橋渡し研究加速ネットワークプログラム」で、中四国の拠点施設に岡山大(岡山市北区津島中)が選ばれた。2013年度から岡山大病院(同鹿田町)が取り組む厚生労働省の「臨床研究中核病院」整備事業と一体的に運用し、革新的な医薬品や医療機器などの実用化を目指す。

 計画では、「健康寿命の延伸を目指した次世代医療橋渡し研究」を実施。基礎研究の成果は学内各学部に加え、中四国の他大学の協力も得て発掘し、臨床研究や治験に結び付ける。先進医療が研究の軸だが、歯学では歯周病予防などの口腔(こうくう)ケアに関する薬や治療器具の開発、介護では生活支援機器の製品化などに力を入れる。

 実用化に向け、採算面などの理由で企業が行わない薬や医療機器については医師が主体的に進める医師主導治験を実施。取得した特許やノウハウを企業に提供するなどの方法でスピードアップも図る。同じプログラム拠点に選ばれている他の8大学(北海道、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州、慶応)との連携も強化する。

 文科省から交付される事業費は初年度約2億3千万円(交付期間は17年度まで)。専門職員の配置や設備導入などに充てる。岡山大大学院医歯薬学総合研究科の谷本光音研究科長は「総合大学の強みを生かした新しい発想の研究・開発に取り組み、できるだけ早く成果を皆さんの元へ届けたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年10月05日 更新)

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