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東和薬品が岡山工場を増強へ 生産能力1・6倍、後発薬需要増に対応

岡山工場で製造する後発薬の一つアムロビジン。高血圧や狭心症の治療に使われる

岡山工場の錠剤製造工程。最新機器の導入などで生産能力を引き上げる

 ジェネリック医薬品(後発薬)製造大手の東和薬品(大阪府門真市)は2016年をめどに、岡山県勝央町太平台の岡山工場を増強する。国が医療費抑制を狙いに安価な後発薬の普及を後押しし、医療機関からの受注が増えていることに対応。41億円を投じて錠剤などの生産能力を1・6倍に引き上げる。

 東和薬品は国内3位の後発薬メーカーで、約650品目を製造。岡山工場は高血圧や胃潰瘍、アレルギー向けを中心とする錠剤、顆粒(かりゅう)剤、カプセル剤など約200品目を手掛ける。今回の増強で品目は変わらないが、年間生産能力は錠剤換算で現在の25億錠から40億錠に引き上げる。

 鉄骨鉄筋3階の製造棟(延べ1万6千平方メートル)のうち、製造途中の薬の保管場所を隣接の倉庫棟に移し、生産スペースを確保。原料を混ぜて粉末状にする造粒機、粉を錠剤に固める打錠機などを増設するほか、最新型の異物混入検査機を導入する。

 これに合わせて倉庫棟(鉄骨3階延べ6千平方メートル)は建て替えて収容能力を高める。現在、設計を進めており、近く着工。従業員は現在の約400人から順次増やし、500人体制とする。

 民間調査会社・富士経済(東京)によると、11年に4840億円だった後発薬の国内市場規模は、15年には約4割増の6837億円に膨らむ見通し。東和薬品は大阪府と山形県にも製造拠点を持つが、岡山工場はフル生産が続いている上、自然災害が比較的少ない立地環境にあることから設備増強を決めた。

 越田博武工場長は「後発薬のニーズは確実に高まっている。将来の輸出増も見据え、衛生管理面で世界最高水準の工場にしたい」と話している。

 同社は1957年設立。資本金47億1770万円。売上高613億5100万円(14年3月期)。従業員1830人。岡山工場は83年に開設した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年10月18日 更新)

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