文字 

手術室に岡山・難波さんの写真 東京の病院採用

東京・昭和大江東豊洲病院の手術室の壁にプリントされた秋の後楽園

雪の後楽園を捉えた難波さんの作品

難波由城雄さん

 名園が医師らの心を癒やします―。岡山市の自然写真家・難波由城雄さん(66)が撮影した後楽園のパノラマ写真が、昭和大江東豊洲病院(東京都江東区)の手術室の壁にプリントされた。昨年、難波さんの写真を採用した岡山大病院(岡山市北区鹿田町)がリラックス効果を実感。関係者の紹介で東京にも名園の風景が飾られることになった。

 岡山大病院の佐野俊二・心臓血管外科教授によると、難手術に立ち向かう外科医や医療スタッフは、長時間にわたって極限の緊張状態が続く。そんな時、美しい景色を見れば、心理面への好影響や集中力の持続が期待できるという。

 欧米の病院で導入されており、岡山大病院は昨年5月、新しい手術室の完成に合わせ、5室の壁に難波さんの作品を印刷。佐野教授が月に2度、手術で昭和大の病院に出向いている縁で、今年3月に開院した昭和大江東豊洲病院の二つの手術室で導入を決めた。

 後楽園の四季折々の姿を30年近くカメラに収めてきた難波さん。その作品集「岡山後楽園の春夏秋冬」(2011年、吉備人出版刊)から沢の池周辺を捉えた秋の紅葉と、雪化粧した冬の景色が選ばれた。11月初旬、それぞれ縦1・9メートル、横4・8メートルに印刷された。

 12月4日に披露予定で、難波さんは「自分の写真が東京の病院に飾られるとは思いもしなかった。救命の一助になってくれればうれしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2014年12月01日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ