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救急外来機能を拡充  5月開院の新岡山市民病院

5月に開院する岡山市の新市民病院

 岡山市の新しい市民病院が5月、岡山操車場跡地(同市北区北長瀬表町)に開院する。老朽化した現在の市民病院(同天瀬)が単に移るだけでなく、365日24時間体制で全ての症状に対応するER(救急外来)の機能を拡充。在宅の医療や介護に関する総合相談窓口といった新たな機能も備える。

 新しい市民病院はJR北長瀬駅前に立地し、8階延べ約3万4千平方メートル。総事業費156億6千万円で2013年3月に着工した。建物は昨年末に完成し、5月までに駐車場や植栽の整備を進める。現時点で内科、外科、小児科、産婦人科といった18診療科(現行20診療科)を設ける予定。結核病床などを含めて計400床(同405床)で、一般病床の個室は現在の26床から120床に増やす。

 ERは救急専門医らが初期治療を施した上で、入院や手術の有無など治療の方向性を診断。広範囲熱傷、多発性外傷といった症状で高度治療が必要と判断した場合には、高度救命救急センターのある岡山大病院(同鹿田町)など他の医療機関に受け入れを依頼する。

 現在の市民病院は西館1階の約150平方メートルで救急医療に対応しているが、新病院は1階約1400平方メートルにスペースを拡大。集中治療室と一般病床の中間に位置付けられる高度治療室4床と、脳卒中の処置に特化した集中治療室3床を新設し、コンピューター断層撮影装置(CT)も現病院の1台から2台に増やす。

 在宅の医療や介護に関する相談窓口は「市地域ケア総合推進センター」の名称で、保健師や社会福祉士らが常駐。医療、介護の垣根を設けず、高齢者への退院後の適切なサービス紹介などに取り組む。昨年12月、市役所にプレオープンしており、実務経験を積んで本格開設に備える。

 病院の運営には市が開設した地方独立行政法人「市立総合医療センター」(同天瀬)が当たる。市の直接運営よりも経営判断の迅速化、効率化が図れるとされ、経営目標に当たる中期計画(14~17年度)には最終年度の救急患者数を12年度比45%増とすることや職員の計画的な採用・育成方針などを盛り込んでいる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年01月05日 更新)

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