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スイセンの葉食べ嘔吐 有毒植物注意を

ゴボウ(左半分)と間違いやすいチョウセンアサガオの根(県提供)

 山菜採りシーズンの春を迎え、有毒植物による食中毒が懸念されている。岡山県によると、統計が残る1995年から県内で死亡例はないが、今年2月下旬、高梁市の70代女性がスイセンを誤って食べ、食中毒症状を訴えて入院した。全国では昨秋死者も出ており、専門家は「少量で死に至る危険性もある」と注意を呼び掛けている。

 県生活衛生課によると、県内の有毒植物(毒キノコを除く)による食中毒の報告は昨年までに6件17人で、全てチョウセンアサガオが原因。96年には県北の60代女性が一時意識不明となり、2010年5月には真庭市の60代夫婦が野菜と一緒に炒めて食べ、めまいや吐き気を訴えて入院した。

 今年2月にスイセンを口にした高梁市の女性は、自宅近くの土手に自生していた葉をニラと間違えて採取。煮物などにして24、25日の昼に40代の息子と食べた。2人とも嘔吐(おうと)に見舞われたという。

 厚生労働省の統計では、有毒植物による食中毒は04~13年に全国で197件(943人)あり、6人が死亡。14年9月には静岡県の70代男性がギョウジャニンニクと思い込んで栽培していたイヌサフランを食べて亡くなった。

 倉敷市自然史博物館の狩山俊悟学芸員は、県内で食中毒の原因となったチョウセンアサガオ、スイセンとも加熱調理しても毒性は消えないと説明。「専門家でも有毒かどうか区別に迷う場合があり、素人判断はやめるべき。山菜採りは豊富な知識を持つベテランが同行するか、事前に勉強してから楽しんでほしい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年03月17日 更新)

タグ: 健康

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