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患部確認しやすい肘の手術用台座 精密部品のオオタ開発

オオタが開発した肘の骨折手術用の台座

 精密部品メーカーのオオタ(岡山市北区今保)は肘の骨折手術用の台座を開発した。エックス線の透過率が高い素材を使っているため、患部の状態を確認しやすい。肘の位置調整も簡単に操作でき、手術時間の短縮につなげる。

 台座は、腕を載せるプレートとステンレス製アームで構成。プレートは特殊樹脂を採用しており、下からエックス線を照射しても透過して肘の骨がくっきりと浮かび上がる。医師は骨の接合作業がしやすくなるという。

 アームには3カ所の可動部があり、1カ所のハンドル操作でプレートを引き寄せたり高さを変えたりできる。

 同社によると、多くの他社製品は金属製プレートのためエックス線を通しにくく、位置調整の操作も複雑だった。新製品は国立病院機構岡山医療センター(同田益)整形外科の塩田直史医師の助言を受けて開発。オオタが自社で設計、部品加工し、組み立てて製品化している。価格は150万円。

 太田恵三社長は「エックス線量は上げすぎると人体に負担が掛かるが、新台座では比較的少ない線量でも骨の状態が鮮明に浮かび上がる。手術時間の短縮に結びつけて患者負担の軽減に貢献したい」と話している。

 オオタは1957年設立。船のエンジン部品が主力で、折れた骨をつなぐピン、肩の骨折手術用台座なども手掛ける。資本金1千万円。売上高約1億円(2015年3月期見込み)。従業員12人。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年03月27日 更新)

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