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コウホネ成分に耐性菌対抗作用 岡山大大学院グループ解明

黒田照夫准教授

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の黒田照夫准教授(微生物学)らの研究グループは27日、スイレン科の水草「コウホネ」の成分に、多くの薬剤が効かず感染拡大が懸念されるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)とバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対する抗菌作用があることを突き止めたと発表した。新薬の開発につながる可能性がある成果で、特許出願している。

 グループは、全国に広く分布し「川骨(せんこつ)」という生薬名でも知られるコウホネから抽出した成分の抗菌作用を解析。その結果、コウホネの成分はMRSAの特効薬・バンコマイシンに匹敵する強い抗菌作用を発揮することが分かった。さらに低濃度の成分でも既存の治療薬と併用すると、効果を高めることも確認できた。

 黒田准教授は「抗菌作用が強まる仕組みを解明し、より高い効果を示す物質の探索にも取り組みたい」としている。

 多くの治療薬に「耐性」があるため効かないMRSAなどの細菌は多剤耐性菌と呼ばれる。免疫力が落ちた入院患者らが院内感染すると死亡する恐れがあり、医療現場では対策が課題となっている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年03月28日 更新)

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