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三朝医療センター来春にも外来休診 岡山大病院方針

外来診療が休止される見通しとなった岡山大病院三朝医療センター(同センターのホームページから)

 岡山大病院が、鳥取県三朝町山田の三朝医療センターで行う外来診療を2016年3月末をめどに休止する方針を固め、地元と協議を始めた。患者の減少や赤字が理由。休止後の医療サービス維持のため、隣接する同県中部医師会立三朝温泉病院への医師の派遣などを検討している。

 同センターは、岡山医科大三朝温泉療養所として1939年に開設され、鉄筋鉄骨5階延べ約6500平方メートル。主に気管支ぜんそくや糖尿病、関節リウマチなど慢性疾患患者らを対象に、ラドン温泉を利用した治療やリハビリを行い、温泉の医学的研究施設として全国に知られている。

 岡山大病院によると、患者の減少や医師不足、施設の老朽化など運営環境は厳しく、12年4月に入院(60床)機能を休止。ここ数年は年間1億円以上の赤字が続いていた。現在は内科医2人を含め、職員約30人体制で、患者は1日約80人。

 大学側は昨秋から鳥取県中部医師会、三朝町などで構成するセンターの在り方に関するワーキンググループで方向性を協議。外来診療休止後は寄付講座を設けて医師を派遣することなどを提案したという。施設については隣接する同大地球物質科学研究センターとの連携も視野に、地域に貢献できる活用法を考えるという。

 岡山大病院は「センターが担ってきた役割を維持するための方策を検討し、患者さんに迷惑を掛けないようにしたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年04月15日 更新)

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