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江草安彦さんの功績たたえる 岡山で追悼講演会

江草さんの功績をたたえた追悼講演会

 今年3月に死去した社会福祉法人旭川荘(岡山市北区祇園)の名誉理事長・江草安彦さんを追悼する講演会「ノーマライゼーションと医療福祉―江草安彦の足跡」(旭川荘、山陽新聞社会事業団など主催)が22日、同柳町の山陽新聞社さん太ホールであった。約250人が聴講し、障害者とともに生きる社会づくりに貢献した江草さんをたたえた。

 江草さんは、障害者や健常者といった区別をなくし、施設から地域で共に暮らすという「ノーマライゼーション」の理念を取り入れ、国内での推進に尽力した。

 講演会では、この考えを提唱したデンマークのバンクミケルセン氏の遺志を継ぐバンクミケルセン財団の千葉忠夫理事長、旭川荘の末光茂理事長、山陽新聞社会事業団の阪本文雄専務理事らが登壇した。

 千葉理事長は、1980年に同国で江草さんとバンクミケルセン氏が懇談し、理念の普及を進めたことについて「原点はともに人間愛。2人とも知的障害者福祉政策を大きく前進させた」と評価。末光理事長は、在宅の重症心身障害児支援として、江草さんが通園事業や巡回訪問を先駆的に導入した成果を「施設から地域へという考えを、いち早く実践された功績は大きい」と述べた。

 阪本専務理事は、江草さんが23歳でキリスト教の洗礼を受けたことに触れ、「他者への奉仕に生きる宣教師の姿を心の糧とした」と指摘した上で「人生を懸けて、医療福祉の融合に取り組んだ」などと、歩みを振り返った。

 会場ではテレビせとうちが制作した番組「敬天愛人 旭川荘60年の歩みと未来」も上映された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年07月23日 更新)

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