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カワニシHD 東北で介護事業展開 福島などでレンタルや備品販売

ライフケアがレンタルする介護用ベッド(左)、歩行器(中央)など

 医療資器材商社の持ち株会社・カワニシホールディングス(HD、岡山市北区下石井)は、東北地方で介護分野の事業を強化している。福島、宮城県に営業拠点を開設。従来の介護用ベッドなどのレンタルに加え、高齢者施設向け備品の販売にも乗り出す。東北に持つ医療機器の販路を活用して顧客を開拓し、主力の中国、四国地方に次ぐ新たな地盤とする考え。

 介護用品レンタルなどの子会社・ライフケア(同野田)が今月1日、仙台市に仙台支店(鉄骨平屋約60平方メートル、従業員2人)をオープン。昨年6月、福島県郡山市に設けた郡山支店(同90平方メートル、同3人)と合わせ2拠点体制とした。いずれも建屋は賃借。在宅の要介護者向けに電動ベッドや歩行器などのレンタルを行っている。

 同HDは2012年、医療機器卸のサンセイ医機(郡山市)を子会社化。同社の取引先など現地の医療機関を通じ、介護サービスの窓口である居宅介護支援事業所や地域包括支援センターに接触しやすいことから、岡山、広島、愛媛県などをエリアとするライフケアの東北展開を進めてきた。

 年内にも高齢者施設向けのマスク、おむつなど消耗品の販売も始め、レンタルと合わせ2支店で年5千万円の売上高を目指す。今後は人口規模が大きい福島県福島、いわき市にも支店を設けて販売網を広げ、20年には東北全体で年間売上高3億円を目標とする。

 ライフケアの15年6月期の売上高は14億円。同HD全体(945億円)の1・4%だが、高齢化の進展に伴う介護ニーズの拡大で、ここ5年間は前年比13~22%増と高い伸びが続いている。

 同HDは「国が医療費の抑制を進める中、介護分野の重要性は増している。東北には競合する大手介護事業者が少ないこともあり、強固な地盤を築きたい」としている。

 カワニシHDは川西医科器機として1967年設立し、04年に持ち株会社に移行。医療資器材商社のカワニシ(岡山市北区今)など7社を傘下に置く。資本金6億775万円。グループ従業員1143人。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年11月15日 更新)

タグ: 介護

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