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障害者就労へ企業への営業活発化 総社の福祉支援18事業所

障害者の職業訓練の機会を増やそうと、生産している野菜を愛媛県の企業担当者(左から2人目)にアピールする連絡会のメンバーたち

 総社市内で障害者の自立を支援する18事業所でつくる「日中活動事業所連絡会」は、各事業所が手掛ける農産物や加工品の販路拡大に向け、企業への営業活動を活発化させている。連携して多種多様な商品を企業に提供することで取引先を増やし、障害者の一般就労につながるようさまざまな仕事を経験してもらうのが狙い。

 連絡会は2013年度、就労継続支援A型・B型事業所などで発足。取引先の拡大によって、雇用契約を結び最低賃金が保障されるA型の利用者には一般企業就職に向けた職業訓練の機会増大、契約を結ばないB型では一人一人の工賃アップも目指す。

 今春から営業を本格化させており、連絡会の吉田秀樹代表は「事業所はそれぞれ魅力的な商品を持っているが、単独で営業しても限られた商品しかPRできない。協力することで企業側に多彩な提案ができる」と話す。

 最初の成功事例は市内の飲食店への営業。減農薬で野菜を生産する事業所がこの飲食店に働き掛けたところ、地産地消の安全な野菜を求める店側のニーズと合い、5月に出荷を始めた。

 11月末には、農家から農産物を仕入れて自社店舗で販売したり、ホームセンターに卸したりしている愛媛県の企業と商談。翌日から、減農薬栽培のブロッコリーやサニーレタスといった野菜の出荷を始めることで合意した。各事業所の手作りケチャップや豆腐など加工品の取引にも話が広がった。

 吉田代表は「取引先が増えれば、店への納品時に会話を通してコミュニケーション力を高めたり、的確に収穫作業をこなしたりすることで、一般就労に向けたスキルアップが図られる」と強調する。

 企業情報を連絡会に提供している市障がい者千人雇用センターは「活動は企業側の理解を広げるきっかけともなり、障害者雇用が進むことにつながる」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年12月15日 更新)

タグ: 精神疾患

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