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障害者向け乗馬療法活動広がる 岡山の「馬んまる」発足3年

「馬んまる」が開いたホースセラピー。障害のある人らに乗馬機会を提供している=11月下旬、岡山市

 障害のある人に馬に触れたり乗ったりする機会を提供し、心身の癒やしや身体機能の向上を図るホースセラピー(乗馬療法)サークル「馬(ま)んまる」(岡山市)が、12月で発足から3年を迎えた。セラピーの開催会場が1カ所から3カ所に、月1回程だった開催日は週1回ペースになるなど、活動の幅が徐々に広がっている。

 「左に曲がりまーす」。スタッフの声に応じ、馬がゆっくりとカーブしていく。馬上の参加者は笑顔でリラックスした様子。11月末に岡山市内で開かれた馬んまるのセラピーには2組の親子が参加した。

 知的障害などがある次男(16)を連れてきた母親(49)によれば「疲れると情緒不安定になるのに、馬に乗った日は落ち着いて寝てくれる」そうだ。利用を始めて2年ほどになるという。代表の上田千惠さん(45)は「馬との触れ合いが心の安定につながっているのでは」と説明する。

 馬んまるは旭川荘厚生専門学院(岡山市)に勤める上田さんが、趣味の乗馬の仲間らと2012年に立ち上げた。障害者乗馬の普及を図る、世界的な組織の国内団体から活動認定も受けている。

 障害の程度にかかわらず、馬に乗れる状態で医師の許可があれば誰でも利用可能だ。1回当たり最大30分。馬上で姿勢を安定させることで腹筋や背筋などが強くなるといった効果もあるという。

 セラピーは、乗馬クラブなどの協力で岡山市内と勝央町内の計3カ所で開催(日程は馬んまるのフェイスブックで告知)。登録ボランティアが乗り下りをサポートしたり、乗馬中の安全に目を配ったりと、運営に協力している。上田さんは「将来は誰もが、いつでも集えるようなセラピー牧場を持てたら」と夢を描く。

 初回は体験料千円。以降は会員登録の有無や活動時間に応じた料金設定になる。問い合わせは、馬んまる(070―5427―7495、電子メールhorse.manmaru@gmail.com)。

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2015年12月28日 更新)

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