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(2)運動量の数値化について 大西病院 理学療法科主任 久保忠司 

久保忠司理学療法科主任

 身体活動(physical activity)とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する全ての動作をさします。それは、日常生活における仕事、家事、通勤・通学などの「生活活動」と、体力(スポーツ競技に関連する体力と健康)の維持・向上を目的とし、計画的・継続的に実施される「運動」の二つに分けられます。厚生労働省は健康維持、生活習慣病予防のために「生活活動」と「運動」に運動強度(メッツ)と時間をもとにして、「エクササイズ」という単位を設定し、生活の中に運動を取り入れる目安として推奨しています。

【メッツ】

 身体活動の強度を表す単位(運動によるエネルギー消費量が安静時の何倍に当たるかを示す)。例えば座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当します。

【エクササイズ(EX)】

 身体活動の量を表す単位で、身体活動の強度(メッツ)にその運動・生活活動の実施時間をかけたものです(表1)

 厚労省は健康づくりのための身体活動量として、週に23EX以上、そのうち4EX以上は活発な運動を行うことを目標としています。なお、活発な運動とは3メッツ以上の身体活動のことをさします。表2に例を上げます。

 一例ではありますが、平日3EX、休日5EX行うことにより、上記の目標を達成することができます。エレベーターを使うよりも階段を上る方がいいといったことはこのようなことからも証明されています。みなさんどうでしょうか。なかなかの活動量だと思いますが、家計簿をつけるように活動量を記録することにより、「貯金」ならぬ「貯筋」ができ、自らの健康増進につながります。

 65歳以上の高齢者は、強度を問わず身体活動を10EX程度でいいと思います。また、一度に多くの活動を行うのではなく時間をおいて、こまめに体を動かすことがおすすめです。体に痛みを感じた場合は活動量を抑え、改善するとともに徐々に負荷量を上げていってください。日々の身体活動を意識し、生涯自立した生活を目指しましょう。



大西病院(玉野市田井、0863-33-9333)
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2016年01月18日 更新)

タグ: 健康

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